プチプチの誕生秘話

プチプチすると楽しい気泡緩衝材は、まさに失敗から誕生しました。ここでは、梱包に優れた気泡緩衝材、プチプチの誕生秘話を解説します。

プチプチの誕生秘話(Ⅰ)-失敗からアイデアを発見-

1957年、アメリカ合衆国のニュージャージー州でマーク・A・カバンズ(カバンズ)と、友人のアルフレッド・フィールディング(フィールディング)の2人は、掃除を楽にするための「プラスチックの壁紙(紙の上にビニールをかぶせた 壁紙)」を開発していました。

ところが、完成したものは、気泡が入り、プツプツと膨らんだ壁紙でした。

「とんでもない失敗作だな」

しばらくの間、失敗した壁紙を触っていると、その感触から1つのアイデアが閃きました。この壁紙を改良すれば、新しい梱包材ができるかも知れないとカバンズは考えたのです。

プラスチックの壁紙を作るという当初の計画は失敗しましたが、カバンズとフィールディングの 2人は、偶然に生まれた「新種の梱包材」に大きな可能性を感じました。

プチプチの発明(Ⅱ)-気泡緩衝材「バブルラップ」の誕生-

失敗した壁紙を分析してみると、2枚の薄いビニールの間に空気が入り、その状態で密閉されたことで、気泡入りの壁紙ができたことが分かりました。

ビニールは軽いうえに柔軟性と弾性があり、衝撃を緩衝する特性があります。カバンズとフィールディングの2人は、細かく膨らんだ気泡で埋め尽くされたビニールの梱包材があれば、壊れやすい貴重品の輸送が便利になると考えたのです。

最終的に2人は、製造工程で穴のあいたドラムのまわりにポリエチレンのシートを巻き付け、このシートを吸引機で引っぱって気泡を作り、2枚目のシートを加えて空気を閉じ込めました。

そうすることで、軽くて柔らかいうえに押すとプチプチと気持ちのいい音がする梱包材(正式名称:気泡緩衝材)が誕生したのです。

気泡緩衝材
出典:tecstaff.jp

気泡緩衝材の開発に成功した2人は、「バブルラップ(BUBBLE WRAP)」という名称で商標登録をおこない、1960年に国際企業、シールド・エア・コーポレーションを設立しました。現在、同社の年商は40億ドル以上にも達しています。

特許名は「ビニール加工したクッション剤を作る方法」であり、特許番号は3,142,599、特許公開日は1964年7月28日でした。

プチプチの発明(Ⅲ)-プチプチで海上輸送に革命-

バブルラップは、海上輸送に革命をもたらしたといわれています。

特に、陶器やガラスなどの貴重品を輸送するのに、他の多孔性ポリエチレン包装材よりも遥かに優れていました。

そして何より、わたしたちの元に贈り物が届く度に、ビニールをプチプチと潰す楽しみができたのです。

今この瞬間も、世界中の人たちがプチプチの快感に浸っていることでしょう。

[参考書籍]

ベン・イケンソン(著)村井理子(訳)「こうして特許製品は誕生した!」<二見書房>

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