「キューピー」 ロゴ・ロゴマークの変遷

マヨネーズなどの調味料で有名な「キューピー」のロゴ・ロゴマークの変遷について解説します。

キューピーとロゴ(Ⅰ)-キューピーの歴史-

キューピーは、日本で初めてマヨネーズを製造して以来、今日までその業界でトップを走り続ける一流企業です。

キューピーの創業者、中島董一郎(なかしま とういちろう)が初めてマヨネーズを目にしたのは、農林水産省の海外実業練習生として、アメリカ合衆国に滞在していた1915年(大正4年)のことでした。

キューピーの創業者、中島董一郎
出典:Wikipedia

野菜にマヨネーズをつけるアメリカ人の習慣を目の当たりにした董一郎は、栄養が不足していた当時の日本人の食生活を改善するために、マヨネーズは打ってつけだと閃きました。

董一郎は帰国後、すぐにマヨネーズの国産化に動き始めましたが、大正時代の日本人の食生活は和食が中心であり、マヨネーズを生産しても売れる見込みはありませんでした。

董一郎はやむなくマヨネーズの国産化を中断しましたが、関東大震災後に到来した急速な西洋化の流れを受けて、1925年(大正14年)にマヨネーズの国産化に踏み切りました。

キューピーとロゴ(Ⅱ)-「キューピー」ブランドの誕生-

マヨネーズのブランド名に、「キューピー」の商標をつけるアイデアを提案したのは、董一郎の大学の先輩にして、東洋製罐株式会社の創業者、高崎達之助(たかさき たつのすけ)でした。

当時の日本では、セルロイド製のキューピー人形が大人気であり、マヨネーズ同様、アメリカ合衆国からもたらされたことから、「キューピー」は洋風のブランドイメージを表す商品名として打ってつけでした。

大正時代のセイルロド製キューピー人形
出典:
aucfree.com

董一郎は後に「キューピー」を社名に変えた程、この名称を大層気に入ったといいます。

マヨネーズ発売当時の広告
出典:
www.girlsfantasticmemory.site

キューピーとロゴ(Ⅲ)-ブランドイメージとしての「キューピーマーク」-

キューピーのブランドイメージを体現するロゴとしてお馴染みの「キューピーマーク」は、1924年(大正13年)に商標登録されました。

発売当時のキューピーマヨネーズ瓶のラベル
出典: news.livedoor.com

発売当時のキューピーマヨネーズ瓶
出典:www.kewpie.com

現在のキューピーマヨネーズ瓶
出典:lohaco.jp

現在のキューピーマークに、まつ毛が7本ずつ描かれていること以外は、時代毎の大きな変化を認めていません。これは、キューピーがこのロゴに愛着をもち、大切にしてきた証だといえます。

現在のキューピーマーク
出典: www.kewpie.com

因みに社名表記で「ユ」の文字が大きいのは、商標としてのデザイン上の理由からだそうです。

[参考書籍]

1)本間之英「図解 誰かに話したくなる社名・ロゴマークの秘密」<GAKKEN>

2)成美堂編集部編「日本のロゴ シンボルマークとしての由来と変遷」<成美堂出版>