「コーセー(KOSÉ)」 ロゴ・ロゴマークの変遷

化粧品の製造販売で有名な「コーセー(KOSÉ)」のロゴ・ロゴマークの変遷と、「コーセー(KOSÉ)」のロゴを手がけた世界的デザイナーについて解説します。

コーセーとロゴ(Ⅰ)-社名の由来-

コーセー(KOSÉ)は、小林孝三郎(孝三郎)が1946年に「小林合名会社」として創業しました。その後、1948年の「株式会社小林コーセー」を経て、1991年に「株式会社コーセー」へと社名が変更されました。

コーセーという名称は、創業者の名前「小林孝三郎」の「孝(KO)」と、経営理念の根本である「誠実」の「誠=SEI」を組み合わせたものでした。

その後、二代目の社長である小林禮次郎(れいじろう)が、ギリシア語の「コスメチコス=KOSMETICOS」という言葉を、コーセーの新たな由来にしました。

コスメチコスとは、「宇宙・調和」という意味から転じて、「美」の意味をもつ「コスモス」から派生した言葉だとされています。

古代ギリシャでは、「コスメチコス」は老化によって美が破壊されるのを防ぐための準医療技術のことを指していました。まさに、コーセーという社名の由来にピッタリでした。

ちなみに、英語表記「KOSEI」の末尾「I」は、その後削除され、今日に続く表記「KOSE」になりました。

コーセーとロゴ(Ⅱ)-ロゴの変遷-

1946年に、コーセーの初代ロゴタイプが誕生しました。

コーセーの初代ロゴタイプ

初代ロゴタイプが使われた、コーセーの粉白粉(1947)
出典:kose.co.jp

その当時、社内にはデザイナーがいませんでした。そのため、 初代ロゴタイプは印刷会社に依頼して制作されたものでした。その後、初代ロゴタイプは「メガネのマーク」という愛称で呼ばれるようになりました。

1947年には、2代目のロゴタイプが登場しました。

コーセーの2代目ロゴタイプ

2代目ロゴタイプが使われた、コーセーの香水(1948)
出典:kose.co.jp

1948年には、3代目のロゴタイプが登場しました。

コーセーの3代目ロゴタイプ

3代目ロゴタイプが使われた、コーセーの粉白粉 -馬車-(1948)
出典:kose.co.jp

3代目のロゴタイプは、初めて社内デザイナーを起用して制作されたものでした。その後、3代目のロゴタイプは「宝の船」という愛称で呼ばれるようになりました。

また、同年にそれまでの欧文ロゴタイプに加えて、カタカナのロゴタイプが登場しました。

コーセーの初代カタカナロゴタイプ

しかし、化粧品に使うにはセンスがないとされ、新しいカタカナのロゴタイプを模索することになりました。

1951年には、4代目のロゴタイプが登場しました。この太い書体のロゴタイプは、その後19年間に渡って愛用されることになりました。

コーセーの4代目ロゴタイプ

4代目ロゴタイプが使われた、コーセーの粉白粉 -カトレア-(1950)
出典:kose.co.jp

1952年には、2代目となるカタカナのロゴタイプが登場しました。これは、コーセーの新しい工場の竣工を記念して計画されたものでした。

コーセーの2代目カタカナロゴタイプ

新聞の一般公募により、3万通を超える応募の中から選ばれた作品に、多少の手を加えて完成させました。それまでの角ばった印象とは異なり、丸みを帯びた愛らしいロゴタイプは、多くの消費者の注目を集めました。

1955年には、ついにコーセーのシンボルマークが登場しました。社名の頭文字「K」と社花のカトレアを図案化したものでした。

コーセーの初代シンボルマーク

初代シンボルマークが使われた、コーセーのラボンヌ -カラーケーキ-(1963)
出典:kose.co.jp

1970年には、5代目のロゴタイプが登場しました。それまでの太い書体から、細い書体へと変更されたのが印象的でした。

コーセーの5代目ロゴタイプ

5代目ロゴタイプが使われた、コーセーのエスプリーク モイスチュアエッセンス(1979)
出典:kose.co.jp

コーセーとロゴ(Ⅲ)-世界的デザイナーが手がけたロゴ-

1991年には、コーポレート・アイデンティティ(※)の一環によって、ロゴタイプ、シンボルマークともに一新されました。

コーセーの2代目シンボルマークと6代目ロゴタイプ
出典:Wikipedia

アメリカを代表する世界的デザイナーのソール・バス(バス)が手がけたデザインは、社名の頭文字「K」を表現するとともに、「英知」、「感性」という異なる価値観の融合と、独自の美の世界を象徴したものでした。

ちなみに、バスはこの他にも、京王百貨店の包装紙やミノルタ(現・コニカミノルタ)、紀文のロゴを手がけたことでも有名です。

京王百貨店の包装紙
出典:
yaplog.jp

コニカミノルタのロゴ
文典:Wikipedia

紀文のロゴ
出典:
kibun.goccia.jp

コーセーとロゴ(Ⅳ)-「コーセー」のメッセージ-

コーセーは、「美しい知恵 人へ、地球へ。」という企業メッセージを掲げています。

これは、コーセーが「美の創造企業」として、美にまつわるあらゆる知恵を出し合い、人々のために、そして大切な地球の未来のために、役立てていこうとする企業姿勢を表しています。

そして、創業者、孝三郎の座右の銘であった「正しきことに従う心」を体現している企業だといえるでしょう。

[参考書籍]

1)本間之英「図解 誰かに話したくなる社名・ロゴマークの秘密」<GAKKEN>

2)成美堂編集部編「日本のロゴ シンボルマークとしての由来と変遷」<成美堂出版>