「LION(ライオン)」のロゴ・ロゴマークの変遷

洗剤・石鹸・歯磨き粉などのトイレタリー用品や医薬品で有名な「LION(ライオン)」のロゴ・ロゴマークの変遷について解説します。

LION(ライオン)とロゴ(Ⅰ)-LIONの前身「小林富次郎商店」の創業-

ライオンは、1892年に石鹸メーカーとして創業しました。当時の社名は、創業者である小林富次郎(富次郎)自身の名を冠した「小林富次郎商店」でした。

「小林富次郎商店」は、他のメーカーが製造した石鹸の販売と、石鹸やマッチの原材料を販売していました。

石鹸メーカーが、マッチの原材料を取り扱っていたことには理由がありました。1875年頃に国産化されたマッチは当時の一大産業であり、重要な輸出品目の一つとして大変重宝されていました。

しかし、「小林富次郎商店」が取り扱っていたのは原材料であったため、利益は少ないものでした。

富次郎が創業時に思い描いた構想は、自社石鹸の製造販売による事業の基礎固めでした。

その構想を実現するため、他社製品を販売する商店から「メーカー」へと徐々に転身を図っていきました。

やがて念願が叶い、「高評石鹸」や「絹練石鹸」、「牛乳石鹸」などの自社ブランドをもつまでに成長を遂げたのでした。

LION(ライオン)とロゴ(Ⅱ)-歯磨き粉の製造販売を開始-

石鹸の販売は、当時はまだ季節による売り上げの差が大きく、加えてメーカーが乱立していたこともあり、収益はそれ程伸びませんでした。

ある日、問屋と話をしていたところ、どうやら歯磨き粉は石鹸の3倍も売れているらしいという情報を耳にしました。

そこで、富次郎も歯磨き粉の製造販売に乗り出すことを決意しました。

しかし、周囲には歯磨き粉の製造に関する知識を持つものは誰一人として存在しませんでした。そんな時、富次郎はある2つの転機に遭遇したのです。

LION(ライオン)とロゴ(Ⅲ)-獅子印ライオン歯磨の発売-

ある日、富次郎が東京キリスト教青年会の集会に立ち寄った際、偶然にもシカゴ土産の歯磨き粉を手に入れ、その製法について詳しい話を聞く機会を得ました。

さらに、知人の加藤萬治から「保歯散(ほしさん)」という歯磨き粉の製造技術を譲り受けたことで、難航するかにみえた歯磨き粉の開発は順調に進んでいきました。

「小林富次郎商店」はついに、1896年に「獅子印ライオン歯磨」を発売しました。また、同年に初代のロゴマークが誕生しました。

ライオンの初代ロゴ

LION(ライオン)とロゴ(Ⅳ)-ライオンの由来-

「獅子印ライオン歯磨」にも使われた、ライオンというブランド名の由来は、北山巌(きたやまいわお)というキリスト教牧師の出したアイデアからきています。

当時の歯磨き粉の商標には、キリンやトラなどの動物が多用されていました。そこで巌は、ライオンなら牙も丈夫だし、歯磨き粉の商標として打ってつけではないかと富次郎に勧めたのです。

富次郎も、ライオンは百獣の王であることから縁起がよいと考え、そのアイデアを採用しました。

1918年になると、富次郎は「小林富次郎商店」を「株式会社小林商店」に改称しました。1919年には、石鹸事業の「ライオン石鹸株式会社」を設立しました。

その後、1980年にこの2社を合併させて、今日の「LION(ライオン株式会社)」が誕生しました。

LION(ライオン)とロゴ(Ⅴ)-ロゴの変遷-

ライオンの2代目ロゴ

ライオンの3代目ロゴ

ライオンの4代目ロゴ

ライオンの5代目ロゴ

ライオンの6代目ロゴ

ライオンの7代目ロゴ

ライオンの8代目ロゴ

ライオンの9代目ロゴ

現在のライオンのロゴ
出典:www.lion.co.jp

ちなみに、LIONのロゴを逆さにすると、「NO17(ナンバー17)」とも読めることから、ライオンは商標を守るために、「NO17」も商標登録をしています。

[参考書籍]

1)本間之英「図解 誰かに話したくなる社名・ロゴマークの秘密」<GAKKEN>

2)成美堂編集部編「日本のロゴ シンボルマークとしての由来と変遷」<成美堂出版>