「味の素」 ロゴ・ロゴマークの変遷

うま味調味料「味の素」や「ほんだし」などの大ヒット商品で有名な「味の素」のロゴ・ロゴマークの変遷について解説します。

味の素とロゴ(Ⅰ)-味の素の前身「合資会社鈴木製薬所」の設立-

味の素の創業者、2代鈴木三郎助(三郎助:さぶろうすけ)の母親「なか」は、医薬品や消毒剤、染料の原料として欠かせないヨード(沃素:ようそ)の製造に日本で初めて成功しました。

味の素の創業者、2代 鈴木三郎助

三郎助は、「なか」の成功を受け継ぎ、製造工場の近代化を進めていきました。

その一方で、ヨードチンキなどの医薬品の製造に着手して成功を収め、1907年5月に「合資会社鈴木製薬所」を設立しました。

味の素とロゴ(Ⅱ)-うまみ成分の発見と「味の素」命名-

科学者にして東京帝国大学教授の池田菊苗(菊苗:きくなえ)博士は、4つの基本味である甘味、塩味、酸味、苦味とは違う、もう一つの味があることを確信し、昆布だしの研究に取りかかりました。

池田菊苗博士

1908年に日本で調理に用いられる昆布の「うま味成分」を単体として抽出し、特許を取得しました。

うま味成分の解析の結果、その正体がグルタミン酸のナトリウム塩であることをつきとめたのです。

菊苗はこの発明を商品化することを考え、海藻からヨードを抽出し、製品化に成功していた鈴木製作所に声をかけました。

こうして2人は、1909年に小麦のたんぱく質からとったグルタミン酸をナトリウム塩として工業生産することに成功したのです。

世界初のうま味調味料は当初、菊苗によって「味精(みせい)」と名付けられていました。しかし、発売元が製薬会社だったこともあって、三郎助は薬と間違えられる恐れを懸念しました。

三郎助が知恵を絞る中、長男の三郎が出した「味の元」という案に目を留めました。三郎助はこの案を気に入りましたが、「元」が日本舞踊などの家元を連想させることを懸念しました。そこで、「元」を「素」に変え、1909年5月20日に「味の素」として一般発売を開始しました。

うま味調味料「味の素」(発売当時)
出典:ajinomoto.com

その後、1946年に「味の素株式会社」に社名変更して、現在に至ります。

味の素とロゴ(Ⅲ)-「美人マーク」の変遷-

味の素のロゴとして最初に登場したのは、割烹着姿の女性を描いた「美人マーク」でした。

美人マーク

美人マークは、「味の素」が料理用の調味料であることを消費者に訴え、家庭に親しまれることを願って作られたロゴでした。

美人マークはその後、幾度かの改定を経て、1973年まで使用されました。

美人マーク(その2)

美人マーク(その3)

美人マーク(その4)

味の素とロゴ(Ⅳ)-「お椀マーク」の変遷-

1912年になると、味の素に「お椀マーク」が登場しました。

お椀マーク(1912年)

お椀マークは、消費者に吸い物といえば「味の素」と連想してもらえることを願って作られたロゴでした。

お椀マークはその後、幾度かの改定を経て、現在も使用されています。

お椀マーク(1920年)

お椀マーク(1954年)

お椀マーク(1958年~現在)

味の素とロゴ(Ⅴ)-コーポレートブランドロゴの変遷-

11970年には、味の素の頭文字「a」を図案化したコーポレートブランドロゴが誕生しました。

コーポレートブランドロゴ(1970年)

コーポレートブランドロゴ(同じ形の異なるバージョン)

1985年には、ロゴタイプ仕様のコーポレートブランドロゴが誕生しました。

コーポレートブランドロゴ(1985年)

1999年には、 ロゴタイプ仕様の2代目コーポレートブランドロゴが登場しました。

コーポレートブランドロゴ(1999年)
出典:ajinomoto.com

2008年には、 味の素グループ共通のブランドロゴ「味の素グループグローバルブランドロゴ」が登場しました。

味の素は、今後もグローバル企業として、世界中の人々に食の素晴らしさや楽しさを届けてくれるはずです。

味の素グループのグローバルブランドロゴ(2008年)
出典:ajinomoto.com

[参考書籍]

1)本間之英「図解 誰かに話したくなる社名・ロゴマークの秘密」<GAKKEN>

2)成美堂編集部編「日本のロゴ シンボルマークとしての由来と変遷」<成美堂出版>