「TOYOTA(トヨタ)」のロゴ・ロゴマークの変遷

日本の大手自動車メーカーである「TOYOTA(トヨタ)」のロゴ・ロゴマークの変遷を解説します。

TOYOTA(トヨタ)とロゴ(Ⅰ):昔のロゴの意味

トヨタの母体は、豊田佐吉(とよださきち)が創業した豊田自動織機製作所を起源としています。1933年に、豊田自動織機製作所内に自動車部が開設したところから、トヨタの歴史は始まりました。

トヨタグループ創業者、豊田佐吉(1867-1930)
出典:Wikipedia

ここまでを見ると、社名の表記は「トヨタ」ではなく、創業者の姓にある通り、「トヨダ」ではないかと思う方がいると思います。

実際のところ、1935の「A1試作機」を経て発売された「AA型乗用車」には、「トヨダ」の名称が与えられており、6角の亀甲型の中に「TOYODA」と記された商標の登録も済ませていました。

「トヨダ」としての初代ロゴ

それでは何故、「トヨダ」から濁点のない「トヨタ」に変わったのでしょうか?

同社は、1936年7月5日、発売を控えた「トヨダ号」のロゴを懸賞募集しました。応募は、じつに2万7000点にも及び、一等に選ばれたのが「丸にトヨタ」を冠したロゴでした。

「トヨタ」としての初代ロゴ

応募の条件には、「マークにトヨダと表記すること」と書かれていましたが、一等に選ばれたロゴを制作した美術図案家の中島種夫(なかじまたねお)は、それを理解しながらも、あえて濁点のない「トヨタ」と表記したロゴを作ったのです。

応募条件を満たしていないロゴが、一等に選ばれたことには理由がありました。

  • 他の応募作にはない、スマートさがあったため
  • 姓名判断の視点から見て、「トヨダ」の10画は発展性がないのに比べて、「トヨタ」の8画は末広がりで縁起がよいとされたため
  • 同社が所在する愛知県の県庁所在地、名古屋市の支章は「八」であり、「8」には縁起があるため
  • 古来、日本語の表記は、濁点をつけなくても濁って読むことがあるため

名古屋市の市章である「八」マーク
出典: city.nagoya.jp

以上の理由から、選考委員の支持を得て、目出度く「トヨタ」のロゴが採用に至りました。

こうして、1936年9月25日から「トヨタ(TOYOTA)」の使用が開始され、翌1937年には「トヨタ」のロゴが商標登録されました。

それに伴い、全国各地の販売店も「トヨダ」から「トヨタ」に変更されました。

TOYOTA(トヨタ)とロゴ(Ⅱ):社名の由来

上述した通り、元々、ロゴや刻印も「TOYODA」であり、自動車に用いるエンブレムも、漢字の「豊田」を使用していました。

「トヨダ」のエンブレム
出典:twitter.com

しかし、1936年におこなわれた「トヨダ号」のロゴの懸賞募集で、「トヨタ」のロゴが採用されたことをきっかけとして、翌1937年に豊田自動織機製作所からの独立を果たした際に、社名を「トヨタ自動車」に改めました。

TOYOTA(トヨタ)とロゴ(Ⅲ):現在のロゴの意味

1989年になると、トヨタのロゴが一新され、現在に至ります。

「トヨタ」の2代目ロゴ

トヨタはこれまで車種ごとに異なるエンブレムを用いてきましたが、同年に「セルシオ」発表時に披露されて以降、会社は勿論、全車種にこのロゴが使用されています。

新たなロゴに込められた意味としては、タテとヨコに組み合わせた内側の2つの楕円が、トヨタの「T」を表しています。

それを囲む外側の楕円は、トヨタの先進技術のグローバルな広がりと、宇宙に翔ける無限の可能性を表していいます。

TOYOTA(トヨタ)とロゴ(Ⅳ):クラウンのエンブレムの変遷

ここからは、カローラ、ランドクルーザー、プリウスと共にトヨタを代表する車種「クラウン」について解説します。

トヨタを代表する「クラウン」は、日本で初めて乗用車専用に開発されたシャシー(アクセル、サスペンションなどの足回りの機構)を持つ自動車でした。

有名な王冠のエンブレムは、1955年に発売された「クラウン・デラックス」のグローブボックスに初めて取り付けられました。

初代のエンブレムは、世界各国の由緒ある王冠を調査して、精密にデザインされた七宝焼きでした。

クラウンの初代エンブレム

2代目のエンブレムは、著名なデザイナーで亀倉雄策(かめくらゆうさく)が手がけており、その後に受け継がれる王冠の原型が誕生しました。

クラウンの2代目エンブレム

その後、クラウンのエンブレムは、亀山雄策による原型を継承しながらも、時代に合わせた変化を続けています。

クラウンの3代目エンブレム

クラウンの4代目エンブレム

クラウンの5代目エンブレム

クラウンの6代目エンブレム

クラウンの7代目エンブレム

クラウンの8代目エンブレム

クラウンの9代目エンブレム

クラウンの10代目エンブレム

クラウンの11代目エンブレム

クラウンの12代目エンブレム

クラウンの13代目エンブレム

クラウンの14代目エンブレム

[参考書籍]

1)本間之英「図解 誰かに話したくなる社名・ロゴマークの秘密Ⅱ」<GAKKEN>

2)成美堂編集部編「日本のロゴ シンボルマークとしての由来と変遷」<成美堂出版>

3) https://toyota.jp/index.html